人の痛みなどわからない

人の痛みなどわからない

十代の頃に感じ、今も変わらずそう感じます。どれほど近くにいても、血の繋がりがあったとしても。その人に成り代わることはできないし、その痛みを等しく覚えることなどできない。感じることしかできないのです。

明治の文豪、田山花袋(たやま かたい)が残した言葉があります。

『人間元来一人で生まれて一人で死んでいくのである。大勢の中に混じっていたからって孤独になるのは、わかりきったことだ。』

たとえ誰かが自らにピリオドを打ったとしても、その後に他人が別の選択肢の模索をしても無意味です。否定や批難ほど安易なものはなく、過去に向けた”もしも”は悲しいだけ。極限状態で選び出した行動は、その時の彼にとっては唯一の道だったのです。

ありのままを受け容れ、共有できた時間を抱きしめて忘れない。それでいいと思っています。

人が人にできることは決して多くはありません。

だからこそ人に寄り添い、真摯に耳を傾け、感じることが大切だと思うのです。